【男性長期育休】夫の職場交渉のリアル体験談

こんにちは!ろぼいし(@robounoikufufu)です。

まず最初にお断りしておきたいのが、この内容に

「育休を取るのが正解!」とか「取っていない人を批判したい」という意図は、決してないということです。

仕事が忙しく、人手も時間も足りない…

そんな現状で「育休を申請することは現実的に難しい」と思っているプレパパや、

その状況を見て遠慮してしまうプレママの方も多いでしょう。

私たちも、当時はうまくいくかどうか分からず、正直不安だらけでした。

ただ、そんな中でも夫は、上司との交渉を重ね “半年間の育休”を勝ち取り、家族にとって大切な時間を確保してくれました。

2年前のことですが、今でも夫には本当に感謝しています。

そこで、私自身は夫を見守るだけで何もできなかったからこそ、同じような状況のご夫婦に対して『リアルな体験談』をお届けしたいと思いました。

本記事で分かること
  • 夫が忙しい職場で育休を勝ち取ったリアルな交渉と具体的な工夫
  • 妻として、そして夫婦としてどんな支え合いをしていたのか
  • お金やキャリア面など、制度以外で悩んだこととその乗り越え方
  • 「人手不足や周囲の目があっても、交渉してみる価値はあるかもしれない」と思える気づき

あくまで一例にすぎませんが、「こういう状況もある」と知ることで、少しでも気が楽になったり、ご夫婦で話し合う機会を持ったりする方が出てくだされば幸いです。

それでは、当事者である夫を通じて学んだことや当時の状況を、妻である私視点でご紹介します。

目次

「あの時は不安だらけだった」──過酷な職場での育休交渉

当時の夫の勤務状況

当時、夫は社員3,000人規模の会社で中間管理職(係長)を任され、部下2名+アルバイト数名をまとめながら、全社の支出業務を総括する部署で働いていました。

慢性的に人手不足で、繁忙期には連日22時〜23時まで残業が続く、まさに心身ともに厳しい環境

そこに、私の妊娠が判明したのは、夫が異動してまもない頃でした。

振り返ると、あれほど多忙な職場にもかかわらず「半年間の育休を取る」というのは、当時の私たちにとっては相当な挑戦でした。

本当にそんな期間、休めるわけがない

取れたとしても 周囲に迷惑がかかるのでは

という葛藤も強かったです。

でも、あの苦しい状況で「欲しい時間」と「得たい経験」を諦めず、必死に交渉してくれたからこそ、

今の私たちがあります。

具体的な交渉の始まり

夫から妊娠の報告を受けた 上司(女性・子あり)からは

上司

当然、奥さんはうちの職場の忙しさを理解しているわよね?

というプレッシャーのかかる言葉が出るほどで、当初はまじめに取り合ってもらえない雰囲気がありました。

それでも夫は諦めず

おっといし

具体的な育休の時期は、改めて相談させていただきますが、なるべく長期で休みたいと考えています。

と上司に 繰り返し伝えていたようです。

キャリアvs長期育休の夫婦間の意識

部署トップの課長に「半年間の育休が欲しい」と伝えた際には、

「今の任期を終えたら、支店の一般部門の平社員に異動する」

という方向で、人事部に話をつけてくれることになったそうです。

正直、管理職のポジションから降りることへの不安や損失はゼロではありません。

ただ

せっかく管理職になれたのに、平社員に戻っても良いの?

という周囲の声にも 夫はなびきませんでした。

夫は もともと昇進に執着がなく「家庭優先」という考えを持ってくれていて、私も

ろぼいし

もしキャリア面であなた(夫)自身が昇進を強く望んでいないなら
せっかくの機会なので、ぜひ長期の育休をとってほしい…!!

と最初から、強く伝えていました。

夫婦の間で そもそも「育休を取る・取らない」の対立が、全くなかったんです。

ただ、今振り返ると、この段階こそが私たちにとって最初の「人生の岐路」だった気がします。

キャリアを選ぶのか、それとも育児の時間を最優先にするのか。

どちらの道を取っていたとしても きっと大変だったと思うのですが、あの時は

「ここで一歩踏み出さなかったら、きっと一生後悔する」

と夫婦で強く感じていました。

夫の職場には育休制度そのものは整っており、ほかの支店や部署では男性が育休をとっている事例もありました。

しかし、夫の所属部署の“中間管理職が長期で休む”というのは前例がなかったらしく、周囲からはかなり珍しがられたそうです。

それでも夫は

おっといし

人が足りないなら会社としてなんとかするはず。
取れる制度なのに、みんな取らないだけ

と割り切り、周囲の顔色を気にすることなく業務をこなし続けました。

昇進を望む方であっても、職場と交渉できる可能性は十分ありますから、上記はあくまで我が家のケースと思ってください。

夫の具体的な努力と交渉内容

おっといし

交渉を円滑に進めるためにも、
まず自分の業務をしっかり回すなど【実績】を出して、
周りを納得させることが大切だ…!!

と 夫は考えていたようです。

実際にやった主なことを挙げると、次の通りです。

業務の効率化

Excelを使った作業の時短や、残業の原因になっていた業務プロセスを見直すことで、残業時間を減らした。

専門知識が必要な仕事の切り分け・共有

一人で長時間抱え込まず、関係部署や取引先にもスピード感を持って積極的に相談。

ミスなく、迅速に業務を完了させる体制を心がけた。 

イレギュラー業務でも諦めず筋道を立てる

前例のない業務ほど「まずゴールを明確にしよう」と考え、周囲の信頼を獲得した。

部下のモチベーション管理・ケア

部下のメンタルが不安定な時期には親身に話を聞き、やる気を引き出せるようマネジメントを心がけた。

(これについては上手くいかなかったことも多々あったそうだが)

部下が回しきれない業務は一緒にカバー

業務フローや具体的手順をチームで検討・共有することで、“誰が何をいつまでに行うか” を全員が明確に把握するようにした。

それでも業務の遂行が難しい時は、作業量と期限に合わせて、上司として手伝うことでチーム全体で乗り切った。

スケジュールを可視化し、上司や部下へ定期的に報告

「今、どれだけの作業量があるか」

「いつまでに人がどれだけ必要か」を常に部下と共有して混乱を防いだ。

後任へのわかりやすい引き継ぎ

後任への引き継ぎにあたり、データやフォルダ、資料などの整理をして、「何がどこにあるか」を視覚的に誰でも把握しやすいようにした

…色々紹介しましたが、まずは上司や同僚とこまめに進捗を共有して、『相手の不安を和らげる』ことが大事だったようです。

こうした取り組みに加え、産前産後は急にバタバタしないよう早い時期から何度も上司に

育休スケジュールの正式な相談をしたい

と言っていたのですが、部署が忙しすぎてなかなか話し合いの場が設けられず…。

実際に育休の取得期間が固まったのは、出産予定日の1か月前でした。

ろぼいし

その間、私も里帰りをしていたので、
夫が板挟み状態で心身ともに消耗している様子が 心配で仕方なかったです。

妻としてのサポート「何もできない」という焦燥感から学んだこと

私自身は夫の業務を代わるわけにもいかず、もどかしさを感じていました。

ろぼいし

長期の育休を取ってほしいとは言ったけど、結局、仕事の板挟みになるのは夫だし……。

と申し訳ない気持ちが募るばかり。

でも今の私があの頃の自分を振り返ると、

あの“もどかしさ”があったからこそ、夫の本音を丁寧に聞く大切さを学べたんだと思えます。

事あるごとに

ろぼいし

育休を長期間 取ってほしいとは言ったけど、
時期や期間は あなたが一番動きやすいように決めてね。

ろぼいし

好きなもの食べたり、好きなように息抜きしてね。

ろぼいし

体に無理だけはしないでね。

と声をかけていました。

また里帰り前までは、帰宅時に備えて夫の好きな食べ物を用意するなど、

私にできる範囲で精一杯サポートできることを探して過ごすようにしたんです。

でも、余裕がない時の 夫から

おっといし

そんなに気を遣われたら、逆に疲れる。

と言われることが多かったので

ろぼいし

私の希望に応えようとこんなに頑張ってくれているのに、
話を聞くことしかできない…。

と、自分の不甲斐なさと申し訳なさでいっぱいになりつつ、腫れ物に触るかのように、夫をそっとすることしかできませんでした。

ただ、育休に入ってから

おっといし

「長期で育休を取って」と君が言ってくれなかったら、ここまで決心できなかった。
最初からブレずに後押ししてくれて本当に助かった!

と、かえって、心から感謝をしてくれたんです。

もし同じように

夫は育休をしっかり取りたそうだけど、仕事が忙しすぎて職場に言い出しにくそう…

と感じているプレママさんがいらっしゃったら、遠慮せずにまずは、自分の正直な思いを相手に伝えてみるのも一つだと思います。

たとえ、自分が相手にとって具体的にできることが限られていたとしても、プレッシャーを与えない程度に

ちゃんと応援してるからね!

という気持ちを伝えるだけで、行動しやすくなるかもしれません。

参考として、上記以外に心がけたことをご紹介します。

【里帰り中にやったこと】

  • こまめなコミュニケーションを忘れない
    「本当に大変そうだね。ありがとうね」とねぎらいの言葉を送る。

「無理しないで」「代わりに家事代行を使ってもいいよ」など、夫が自分を追い込みすぎないように声をかけることを 心がけました。

  • 夫のメンタル不調のサインを見逃さない
    「最近眠れない」「食欲がない」などが続くなら、産業医やカウンセリングの受信 を検討してもらう。

【同居中にやったこと】

  • 夫の休息スペースと時間を確保
    仕事で疲れ切っている夫に対して、15~30分でも一人の時間を作る。
  • 日々の“ありがとう”の言葉を欠かさない
    些細なことでも「助かったよ」「ありがとう」と伝える。
  • 夫の疲れた体をマッサージ&体を労る環境を準備
    首や肩、背中など、凝り固まった部分を優しくマッサージしてあげると、触れ合うことでのリラックスも相まってリフレッシュしてもらえる。

疲労回復のために導入したアイテム
・めぐりズム
・入浴剤
・腸内環境整える食品(ヤクルト1000)など

実際の育休スケジュールと「小さな挫折」から学んだこと

【出産直前〜産後1ヶ月】

有給休暇&特別休暇の取得
1週間だけ出社(出産前後の業務状況の確認のため)
「産後パパ育休」を月末をまたいで5日間取得

【産後1〜2ヶ月半】

通常業務

異動期「直前」の最繁忙期で、連日22〜23時まで残業

おっといし

連日、ほぼ終電で帰宅していました…。

週末に時間があれば 私の里帰り先へ帰省

自宅から公共交通機関で3時間ほどの 私の実家へできる限り帰省して、子どもに会ってくれました。

ろぼいし

夫が 仕事で疲れて果てていたので、基本休んでもらいつつ、子どもと触れる時間に集中してもらいました。

子どものお世話(ミルク・おむつ・沐浴)は日中を一緒に行い、夜〜朝方の対応は 私がしていました。

(とはいえ、たまに夜泣きが激しい時は起きて補助をしてくれることもありました。)

【産後2ヶ月半以降】

ここでようやく育休開始

私も里帰りから戻り、夫婦そろっての育児へ。

ここでひとつ、無念なことが…。

育休取得期間が当初の希望どおりにとれず、『育休中の社会保険料免除』で、数十万円の損をしてしまった。

育児休業中の社会保険料免除制度」とは?

育休中にかかる社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料)は、次の期間について免除されます。

育休が「始まった月」から育休が終わった「翌日の月」の『前月』まで

事例

【育休開始日】2025年4月15日
【育休終了日】2025年12月14日
↪この場合、2025年4月分〜2025年11月分までの社会保険料が免除されます。

育休中に社会保険料が免除されても、将来の年金額に影響はありません。

通常月】の社会保険料免除
  1. 月末」時点で育休を取得している場合
    育児休業期間がその月の「末日」を含む場合、その月の社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は免除されます。
  2. 同月内に「14日以上」育休を取得した場合
    たとえ月末を含まなくても、『同じ月内で〝14日以上〟』育休を取得していれば、その月の社会保険料が免除されます。
    この14日には「土日や祝日」も含まれます。
ボーナス(賞与)月】の社会保険料免除
  1. 賞与が支給される月の末日を含む育休
    賞与が支給される月に、育休期間がその月末日を含んでおり、かつ1か月以上育休を取得している場合、賞与にかかる社会保険料も免除されます。

我が家の場合、ボーナス支給月で社会保険料免除が適用される時期育休を取れなかったので、かなり大きな金額を損したことになりました。

おっといし

とにかく長期で休むことが最優先だったし、あのタイミングで休むのは不可能だったから、取得期間の交渉でやむなく妥協しました。

当時は「数十万円の損」を悔しがる気持ちもありましたが、

むしろ、この小さな挫折があったからこそ、夫婦で

もっと余裕を持った キャリア設計をしよう

次に活かすためには 制度をしっかり調べよう

という意識が一層高まったのかもしれません。

今、2人目の育休中ですが、賞与の算定日までに復職をする予定なので、少しはボーナスがもらえると想定しています。

我が家のように、入口(育休に入るタイミング)が思うようにいかない方は、
せめて出口(復職タイミング)で 1番『金銭的にお得』な時期を選ぶようにすれば良いと思います。

ろぼいし

長期育休であれば、
復職の時期がだいぶ先のことなので、いつ復職してもあまり職場に大きな影響はないと考えるからです。

長期育休で得た大きな価値──未来から見える「何ものにも代えがたい時間」

6ヶ月の育休期間で私たちが一番感じたのは、「家族の時間」の尊さです。

日毎に成長していく我が子の育児について、苦労や楽しみを共有しながら、互いを思いやり、協力して過ごす時間の尊さ。

今後の人生について夫婦でゆっくり話し合うことで、同じ方向性を向いて進んでいけることの安心感。

職場以外の世界に目を向けて見識を広げたり、本当にやりたかったことへ挑戦をしたりするなど、自分をバージョンアップできる時間的・精神的な余裕。

夫からは、いまだに

おっといし

あのとき“長期で育休を取って”と強く言ってくれたから、今これほど充実した生活ができている。
本当にありがとう‼

と言われています。

正直、私こそ何もしてあげられなくて恐縮だったんですが、その言葉を聞くたびに

ろぼいし

あぁ、勇気出して、頑張って お願いしてよかった…!

と嬉しく思っています。

おわりに 〜これを読んでくれた方へ〜

忙しい職場の状況や周囲の反応、金銭面などの不安を抱えている方は多いと思います。

でも「なんだか無理そうだ」と諦める前に、一度上司や同僚と話してみたり、できる範囲で業務を改善したり、少しずつ準備を重ねるだけでも結果は変わるかもしれません。

もちろん、すべての状況でうまくいくわけではありませんし、

たとえ数週間だけでも育休を取れれば嬉しい

という状況の方もいるかもしれません。

私たちのケースはあくまで一例として、ご自身やご家族の状況と照らし合わせていただけたらと思います。

ただ、もし

本当は取りたいけど、どうせ上司に言っても無理だし…

と悩んでいる プレパパさんがいらっしゃるなら、ぜひ一度、

  • 夫婦で話してみる
  • 業務フローを見直す
  • 上司や人事に 希望を伝える

などの一歩を踏み出してほしいです。

実際に体験して感じたのは

やるべき業務をきちんと整理し、粘り強く交渉すれば、周りも応援してくれる

ということ。

そして、プレママの皆さんも、遠慮してしまわずに

あなたの力が 必要なの

育児の素晴らしさを 一緒に経験してほしい

と本気で伝えてみてください。

きっと、そのまっすぐな言葉が 相手の背中を押してくれます。

私たちが得た「家族と過ごすかけがえのない時間」が、どうかあなたの家庭にも訪れますように。

以上が、私たち夫婦が「長期の育休取得」に至るまでのリアルな記録です。

長文を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

どんな形であれ、ご自身の大切な家族との時間が、より豊かになることを、心より願っています。

ちょっとした“次の一歩”のヒント

夫婦で話し合うときのテーマリスト
  • 育休の期間やタイミング
  • 仕事と育児のバランスについて、どこまで譲れるか
  • 育休後のキャリアについて、お互いにどう考えているか
  • お金・キャリア面の不安や対策について、どう取り組むか
  • お互いにどんなサポートがほしいか
職場へ相談する「前」に準備しておくと良いこと
  • 自分の業務フローや残務整理のプラン
  • 育休希望期間の具体案
  • 社内制度や社会保険免除のタイミングの確認
忙しい中でも「心身をケア」する工夫
  • 早めに産業医・カウンセリングなどの選択肢を調べておく
  • 1日15分でも自分の好きなこと・ホッとできる時間を確保する
  • パートナーに“思いやり”を伝え合う
ろぼいし

少しでも参考になる部分がありましたら、幸いです。
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この記事を書いた人

・夫婦で長期の同時育休中(詳細は「自己紹介」参照)
・後悔しない育休にするための『時間術・家計管理・学び・失敗談・気づき』を発信しています。
・地方×賃貸暮らしの30代
・FP&簿記の資格あり
・夫7歳上・息子1y10m・娘0y6m

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